病態生理学Ⅲ(免疫)

基礎問題1


【感染①】

①病原体を3つ以上書きなさい。
細菌  真菌  寄生虫  ウイルス  プリオン

②水平感染の種類を3つ以上書きなさい。
空気感染  飛沫感染  接触感染  (経口感染  血液感染  動物媒介感染)

③抗菌薬の長期・大量投与が原因となり、常在微生物叢が乱れる現象を何というか書きなさい。
菌交代現象

④免疫能が低下した宿主に対して常在微生物が病原性を発揮する現象を何というか書きなさい。
日和見感染

⑤感染の3要素を描きなさい。
感受性宿主  感染源  感染経路

⑥感染しているが症状が現れない現象を何というか書きなさい。
キャリア

⑦感染症が原因で臓器障害を伴う全身炎症反応を何というか書きなさい。
敗血症

⑧培養検査で喀痰の肉眼的評価で代表的な分類を書きなさい。
ミラー・ジョーンズの分類

⑨感染症の一次予防で行うものは何か書きなさい。
予防接種

⑩病原微生物の特定をする検査を書きなさい。
培養検査

【感染②】

MRSAは、(  )感染である。
接触

赤痢は、(  )感染で海外から持ち込まれることが多い。
経口  (接触)

緑膿菌は、(  )感染である。
日和見

結核は、(  )感染するので隔離対象である。
空気

梅毒は、(  )・性行為感染する。
母子感染

麻疹は、(  )感染である。
飛沫・空気

アニサキス症は、(  )感染である。
経口(サバ・タラ・アジ・イカなど魚介類の生食)

ノロウイルス感染症の消毒には、(  )が効果がある。
次亜塩素酸ナトリウム

(  )感染症の経過で、カポジ肉腫・ニューモチス肺炎などがある。
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)

カンジダ症は、(  )性感染する。
内因

基礎問題2


【感染症】

予想以上の感染症がおきることを(  )という。
アウトブレイク

医療機関でおきる感染症のことを(  )という。尿路感染、肺炎、カテーテル関連血流感染、術後の創部感染、偽膜性腸炎などがある。
院内感染

小規模な患者の集団を(  )という。
クラスター

抗菌薬が効かなくなった細菌を(  )といい、結核、HIV感染症、性感染症、新興・再興感染症などがある。
薬剤耐性菌

(  )の原因は、人口の増加・不適切な行動・食生活・免疫能の低下・媒介動物・衛生環境の破綻・ワクチン接種の問題などがある。 対策として、情報の収集・誤った情報の排除・情報の解釈と判断が大切。
新興・再興感染症

医療関連感染に対し、通常の生活環境で感染したものを(  )という。
市中感染

『感染症法』に基づく分類として一類感染症~五類感染症があり、最も危険度が高いのは(  )類感染症である。
一類感染症

一類感染症には(  )・(  )・(  )などがある。
エボラ出血熱  ペスト  ラッサ熱

(  )は感染症の発生と蔓延を予防するために、公衆衛生の見知から、予防接種の実施とそれに必要な措置を講ずる。
予防接種法

感染源による分類として外界に感染源が存在する(  )と、ヒトの体内にいる微生物による(  )がある。
外因性感染  内因性感染

外因性感染は水平感染と垂直感染に分けられる。垂直感染には(  )がある。
母子感染

感染の成立を考えるとき、宿主の免疫能を4つのカテゴリーで理解するとよい。
①バリアの破綻②好中球の減少③液性免疫の低下④細胞性免疫の低下
①②は(  )が作用しており、③④は(  )が作用している。
好中球やマクロファージなどからなる自然免疫
B細胞やT細胞などからなる獲得免疫

病原体を直接見つけるための検査法として(  )、(  )、(  )がある。
塗抹検査(グラム染色)  培養検査  抗酸菌検査

所要時間について塗抹検査は(  )程度、培養検査は(  )程度かかる。
唾液や尿は3~5℃、血液は35~37℃(体温)、髄液は常温で保存する。
10分  2~3日

初期治療では(  )を使用し、経過観察後、治療薬を(  )に変更する。
出来るだけ耐性菌を出さないように感染症の治療を行う。
広域抗菌薬  狭域抗菌薬

標準予防策(スタンダードプリコーション)はすべての患者に対して行う。
「血液」「体液」「汗を除く分泌物」「排泄物」「粘膜」「傷のある皮膚」は感染性をもつものとして扱う。
①(  )②(  )③(  )④(  )⑤(  )
①手指衛生
②手袋、ガウン、マスク、ゴーグルの着用
③注射針のリキャップ禁止
④医療機器の適切な使用・処理
⑤感染性廃棄物の適切な分別・処理

標準予防策と合わせて、感染症患者や病原体保有者に対して行う予防策を(  )という。
感染経路別予防策

【細菌】

(  )は院内感染の原因菌である。症状として蜂窩織炎が特徴。
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)[接触感染]

(  )は日和見感染症で尿路・皮膚感染症、外耳炎、角膜炎の原因となる。肺炎・敗血症を発症する。
緑膿菌[日和見感染]

(  )は症状として鉄さび色の膿性痰が特徴。
肺炎球菌[飛沫感染]

(  )は海外旅行中に感染することが多い。症状として水様性下痢が特徴。
赤痢菌[経口感染・接触感染]

(  )は多剤併用療法を行う。
エタンブトールは副作用として、視神経障害
ストレプトマイシンは副作用として、内耳神経障害がある。
診断として塗抹検査(  )を行い、培養検査(  )を行う。
結核[空気感染]
チールーネールゼン染色  小川培養

(  )の症状は 第1期「硬結」 第2期「ばら疹」 第3期「ゴム膿」がある。治療に傾向ペニシリン系薬を使用する。
梅毒[母子感染・性行為での感染]

(  )は細胞壁をもたない。非定型肺炎の中では最も多い。
マイコプラズマ[飛沫感染]

(  )は食品中の神経毒素の接種により麻痺症状の出る中毒性疾患。いずし・辛子蓮根・はちみつ等。
ボツリヌス[経口感染]

(  )はけいれん・持続性緊張をきたす重篤な中毒性疾患。ドブに突っ込んで怪我すると感染する。
破傷風[皮膚創部から感染]

(  )の症状は「頻回の下痢」「激しい腹痛」「血便」 原因菌0157 3類感染症。
大腸菌[経口感染]

(  )は温泉・循環式風呂など水系環境への曝露で集団感染がおこる。症状は「発熱」「咳嗽」「徐脈」「下痢」など。
レジオネラ菌[集団感染]

(  )は男性に多く、不妊の原因となる。
淋菌[性行為]

【ウイルス】

(  )の3徴は「発熱」「リンパ節腫脹」「咽頭炎」
EBウイルス(伝染性単核球症)[経口感染]

(  )の症状は、カタル期に(  )、発疹期に(  )があり、2回発熱する。
麻疹(はしか)[空気感染]  コプリック斑(頬粘膜)  発疹(色素沈着あり)

(  )の症状は「リンパ節腫脹」「発熱」「発疹(色素沈着なし)」
風疹(3日はしか)[飛沫感染]

(  )の症状は「発熱」「発疹」。感染力が強い。成人が罹患すると重症化しやすい。
水痘[空気感染]

(  )はヘルパーT細胞を破壊し、日和見感染を引き起こす。
真菌症(  )、ウイルス感染症(  )、腫瘍(  )、その他(  )などがある。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)[性行為・血液感染・母子間の垂直感染]
ニューモシスチス肺炎  サイトメガロウイルス感染症  カポジ肉腫  HIV脳症(認知症または亜急性脳炎)

(  )の治療は発症後48時間以内にノイラミニダーゼ阻害薬タミフル・リレンザなどを使用する。
インフルエンザ[飛沫感染]

(  )は汚染されたカキなどの2枚貝の生食で感染する。患者の便や吐物からも感染する。エタノール・逆性石鹸は効果がないので、(  )を使用する。
ノロウイルス[経口(糞口)感染]  次亜塩素酸ナトリウム

【真菌感染症】

(  )は臨床で最も多い。口腔・消化管・陰部などの常在している真菌。
カンジダ症[内因性感染]

(  )は胞子として空中をただよっている。免疫不全状態の患者の罹患率が高い。
アスペルギルス症[空気感染・日和見感染]

【寄生虫性疾患】

(  )は症状として「下腹部痛」「イチゴゼリー状粘血下痢便」が特徴。
赤痢アメーバ[性行為]

(  )の症状は「発熱」「貧血」「脾腫」で、予防法は蚊に刺されないこと。
マラリア原虫[動物媒介感染]

(  )の症状は「悪心・嘔吐」が特徴。サバ・タラ・アジ・イカなどの魚介類が感染経路。
アニサキス[経口感染]

(  )は女性が感染する。
膣トリコモナス[性行為]

小テスト

小テスト① アレルギー


(  )は、獲得免疫を誘導する物質である。
抗原

(  )免疫は、大まかに異物を認識してすみやかに反応する性質を持つ。
自然

(  )免疫は、自然免疫で排除しきれなかった場合第二次の防御として異物の排除を行う。
獲得

(  )性免疫では、特異的な(  )細胞が(  )細胞に分化して抗体を産生する。
液  B  形質

(  )性免疫では、(  )細胞が異物を認識して反応する。
細胞  T

(  )は化学伝達物質で、(  )から合成され、(  )などを起こす。
ヒスタミン  アミノ酸  血管拡張

好酸球は、(  )感染で血液中に増加する。
寄生虫

好中球は、(  )感染症で増加する。
細菌

(  )は、気道平滑筋の収縮を促す。
ロイコトリエン

(  )細胞は、活性化すると、ヒスタミンなどの顆粒を細胞外に放出し、(  )、化学伝達物質を産生し(  )反応を引き起こす。
マスト  脱顆粒  アレルギー

Ⅰ型アレルギーは(  )型・アナフィラキシー型である。
即時

Ⅰ型アレルギーでは(  )が作用し(  )や食物アレルギーなどを起こす。
IgE  気管支喘息

Ⅱ型アレルギーでは自己細胞の抗原抗体反応で細胞(  )が起きる。
融解

Ⅲ型アレルギーでは(  )体を形成し組織障害を起こす。
免疫複合

Ⅳ型アレルギーでは、(  )性免疫で(  )細胞が関与する。
細胞  T

抗体で、血中に最も多く胎盤を通過するのは(  )である。
IgG

小テスト② 膠原病


【関節リウマチ】

(  )が産生され、関節の破壊・変形を起こす。
MMP-3(マトリックスメタロプロテアーゼ3)

関節症状として、関節の腫脹や(  )がある。
朝のこわばり(起床時の手指のこわばり)

【全身性エリテマトーデス】

(  )型アレルギー以外の病態で症状が出現する。

症状は、皮膚症状の(  )が特徴的である。
蝶形紅斑

日常生活では、ストレス・(  )を避け、感染予防に心掛ける。
紫外線

(  )症候群は全身性エリテマトーデスに合併し、(  )症を起こしやすい。
抗リン脂質抗体  血栓

【その他の膠原病】

(  )は、涙腺・唾液の分泌量の減少が特徴である。
シェーグレン症候群(SS)

ベーチェット病は、(  )炎・アフタ性潰瘍を症状とする
ぶどう膜

(  )症は、レイノー現象と仮面様顔貌が特徴である。
全身性強皮


試験対策

免疫のしくみ


アナフィラキシーショックによる死亡の原因として最も多いのは(  )および薬物によるものである。
ハチ刺傷

次々と異なるアレルギー疾患に罹患していく現象を(  )という。
アレルギーマーチ

抗体が結合することにより、マクロファージや好中球の貪食作用が刺激されて、処理がさらに進みやすくなることを(  )という。
オプソニン化

抗体のうち、五量体を形成するのは(  )。
IgM

抗体のうち、唯一胎盤を通過するのは(  )。
IgG

抗体のうち、二量体を形成し、母乳などに含まれるのは(  )。
IgA

Ⅰ型アレルギーを引き起こしたり、寄生虫感染で増加するのは(  )。
IgE

獲得免疫のうち、抗体が中心となって働く免疫反応を(  )という。
液性免疫

獲得免疫のうち、マクロファージやキラーT細胞によって行われる免疫反応を(  )という。
細胞性免疫

排除する反応が強すぎて、逆に生体を障害してしまうことを(  )という。
アレルギー

本来は反応しないはずの自己の組織や分子に対して免疫反応がおきてしまい、あたかも異物に対するようにみずからの細胞や組織が攻撃されることを(  )という。
自己免疫疾患

免疫系が異物を抗原として認識する段階を(  )という。
感作

アレルギー反応の原因となる抗原を(  )という。
アレルゲン

【Ⅰ型アレルギー】

Ⅰ型アレルギーは抗原に(  )がつくられるアレルギーである。
IgE

Ⅰ型アレルギーに分類される疾患には(  )、(  )、(  )、(  )、(  )、(  )などがある。
喘息  花粉症  アレルギー性鼻炎  急性蕁麻疹  アナフィラキシー  食物アレルギー

【Ⅱ型アレルギー】

Ⅱ型アレルギーは抗原と(  )、(  )抗体が反応して起こるアレルギーである。
IgG  IgM

(  )の活性化や、(  )による貪食作用により細胞融解が引き起こされる。 抗原に対して作られた抗体が細胞を障害。
補体  マクロファージ

Ⅱ型アレルギーに分類される疾患には(  )、(  )などがある。
バセドウ病  重症筋無力症

【Ⅲ型アレルギー】

Ⅲ型アレルギーは抗原と(  )、(  )抗体が反応して起こるアレルギーである。
IgG  IgM

Ⅱ型と違い、抗原と抗体による(  )が血液を循環し、血管に付着して炎症を起こす。
抗原抗体複合体

Ⅲ型アレルギーに分類される疾患には(  )、(  )などがある。
血清病  糸球体腎炎

【Ⅳ型アレルギー】

Ⅰ~Ⅲ型アレルギーはおもに抗体が関与する(  )による反応であるが、 Ⅳ型アレルギーは(  )であり、(  )により引き起こされる。遅延型アレルギーとも呼ばれる。
液性免疫  細胞性免疫  T細胞

Ⅳ型アレルギーに分類される疾患には(  )、(  )などがある。
ツベルクリン反応  接触皮膚炎

症状と疾患の理解


【気管支喘息】

(  )型アレルギー反応。

ダニや真菌、動物の毛などアレルゲンが確認できるものを(  )[小児のほとんどはこちら]、確認できないものを(  )という。
アトピー型  非アトピー型

(  )に発作性の呼吸困難が出現しやすい。
夜間・早朝

【アレルギー性鼻炎】

(  )型アレルギー反応。

3主徴(  )、(  )、(  )
くしゃみ  水様性鼻汁  鼻閉

【食物アレルギー】

(  )型アレルギー反応。(  )によって蕁麻疹、(  )などの即時症状が出現。
Ⅰ  IgE  アナフィラキシー

食物依存性運動誘発アナフィラキシーを避けるために、食物の摂取後2時間は(  )を禁止する。
運動

【アナフィラキシー】

(  )型アレルギー反応。食物によるものが多い。

治療として(  )がある。
アドレナリン(筋肉注射)[アドリナリン注射薬(エビペン)]

【薬物アレルギー】

(  )型アレルギー反応で、症状も多岐にわたる。
Ⅰ~Ⅳ

膠原病


【関節リウマチ】

慢性的に経過する(  )を主病変とする疾患。全身の関節に疼痛と腫脹がおこる。
関節炎

滑膜に発生した炎症が肉芽組織を形成して軟骨・骨の破壊に至る像を(  )という。
パンヌス

関節あるいは軟骨破壊にかかわる(  )の産生もみとめられる。
MMP-3(マトリックスメタロプロテアーゼ3)

症状として(  )がみられる。
起床時の手指のこわばり(朝のこわばり)

薬物療法として、抗リウマチ薬(  )が用いられる。ほかNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)など。
MTX(メトトレキサート)

【全身性エリテマトーデス(SLE)】

遺伝因子に環境因子(紫外線・ホルモン異常・ウィルス感染)が誘因で多様な自己抗体が産生される。 Ⅲ型アレルギー反応により(  )などの合併症がおきる。
ループス腎炎

発熱ではCRPの上昇が(  )。
ない

症状として発熱。顔面の(  )。精神神経障害(うつ、けいれん、脳血管障害)。腎障害。血球減少(易感染→日和見感染)などがみられる。
蝶形紅斑

治療は(  )が主で、睡眠不足、紫外線曝露の排除などが挙げられる。
寛解導入・維持

(  )が合併することが多く、動静脈に(  )を引き起こす。 ステロイド・免疫抑制薬の投与で(  )をおこしやすい。
抗リン脂質抗体症候群  血栓症  日和見感染

【シェーグレン症候群(SS)】

抗原特異的免疫応答が(  )などで引き起こされる。
涙腺・唾液腺[分泌量の減少]

【全身性強皮症】

原因不明で、自己免疫異常が関与する全身性の結合組織病。 もっとも注意を必要とする合併症は(  )。
肺線維症

レイノー現象に代表される(  )も同時にみられる。
血管病変[血管修復機構の破綻により内膜が肥大し血流不足による慢性の虚血状態となる]

【ベーチェット病】

(  )が関与する。主に(  )が障害される。男性に症状重篤な病型が多い。
HLA(ヒト白血球抗原)  粘膜

主症状に(  )、(  )、(  )、(  )がある。
眼症状(ぶどう膜炎)  口腔粘膜 (アフタ性潰瘍)  外陰部潰瘍  皮膚症状

治療として(  )などの生活指導などが挙げられる。
口腔内の清潔を保持する



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