病態生理学Ⅲ(腎・泌尿器)

①糸球体毛細血管
②メサンギウム細胞
③ボウマン嚢



糸球体の病理像比較


下図の糸球体は(  )である。
正常

下図の糸球体は(  )である。
溶連菌感染後急性糸球体腎炎[急性腎炎]
(糸球体は腫大して、浸潤した好中球、腫大した内皮細胞などで血管腔はほとんど閉塞している)

下図の糸球体は(  )である。
IgA腎症[慢性腎炎]
(軽度のメサンギウム基質と細胞の増加が認められる)

下図の糸球体は(  )である。
微小変化型ネフローゼ
(光顕上、異常を認めず、蛍光抗体法でも全て陰性。電顕ではびまん性の足突起の融合が認められる)

下図の糸球体は(  )である。
巣状糸球体硬化症
(皮質表層の糸球体は殆ど正常の糸球体像を示しているが、皮髄境界部では部分的な糸球体硬化像を認める)

下図の糸球体は(  )である。
膜性腎症
(びまん性基底膜肥厚が認められるが、メサンギウム基質の増加や細胞増殖は認めない。毛細血管の壁が厚い)

下図の糸球体は(  )である。
糖尿病性腎症
(糖尿病性腎症に認められた結節性およびびまん性病変。細動脈内膜下にPAS陽性物質の沈着が認められる)

腎不全の主な症状


①(  )・(  )・(  )
浮腫  高血圧  心不全
[体水分の過剰]

②(  )
腎性高血圧
[レニン・アンギオテンシン・アルドステロンの血圧制御機構の破綻]

③(  )
高カリウム血症(致死的不整脈)
[電解質衡異常]

④(  )
アシドーシス
[酸塩基平衡異常]

⑤(  )
尿毒症(意識障害・呼吸障害)
[老廃物貯留]

⑥(  )
貧血
[造血ホルモン(エリスロポエチン)産生力の低下]

⑦(  )
腎性骨異栄養症(骨粗しょう症・病的骨折)
[腎は食事から入ってくるビタミンDを活性化することによって骨の回転を調節している]

語呂合わせ[ふじこ兄彦]

主な原発性糸球体疾患


主な原発性糸球体疾患について、
(  )は自然に治る。
(  )は緩やかに腎不全に進行しやすい。
溶連菌感染後急性糸球体腎炎(急性腎炎)
IgA腎症(慢性腎炎)
[それぞれ別の病気である]

【急性腎炎】

ほとんどは(  )に発症する。
小児(学童期)

検査所見として(  )と(  )が重要。
クレアチニン  尿素窒素

クレアチニンは(  )由来で、基準値は成人男性で(  )。
筋肉  1.0mg/dL以下

尿素窒素は(  )由来で、基準値は(  )。
食物  20mg/dL以下

【慢性腎炎】

慢性腎炎のうち最も頻度が高いのは、(  )である。
IgA腎症

糸球体の(  )が増殖することによって、毛細血管の血流が遮断される。
→血管の破綻→血尿・蛋白尿の出現
→糸球体濾過の減少→腎不全
メサンギウム細胞

ネフローゼ症候群


ネフローゼ症候群の診断基準は①(  )②(  )③(  )④(  )
①浮腫
②高脂血症
③蛋白尿
④低蛋白血症

語呂合わせ[不幸探偵]

ネフローゼ疾患には(  )(  )(  )の3つがある。
微小変化型ネフローゼ  巣状糸球体硬化症  膜性腎症

●微小変化型ネフローゼ
好発年齢:(  )に多い。
ステロイド反応性:ステロイドによって容易に寛解するが(  )しやすい。
予後:最終的には(  )する。
小児  再発  治癒

●巣状糸球体硬化症
好発年齢:(  )に多いが、まれな疾患。
ステロイド反応性:ステロイドが(  )。
予後:5~10年で末期腎不全
小児  効きにくい

●膜性腎症
好発年齢:(  )に多い。
ステロイド反応性:ステロイドが(  )。
予後:ときに末期腎不全・自然治癒もあり。
成人  効きにくい

ステロイドは(  )を押さえつけて有害物質を出させないようにする作用機序をもつ。
白血球[易感染性に注意]

ステロイドの副作用を5つ示しなさい。
①(  )②(  )③(  )④(  )⑤(  )
①感染症
②ステロイド糖尿病
③消化性潰瘍
④骨粗鬆症・骨壊死
⑤精神変調
⑥緑内障・白内障
⑦血栓症
⑧ムーンフェース・肥満・多毛
⑨にきび
⑩高血圧

二次性(続発性)腎疾患


最近の腎不全人口増加の主要原因は(  )と(  )である。
糖尿病  高血圧(動脈硬化症)[多くは生活習慣病]

高血圧・動脈硬化・加齢による腎不全=(  )が増加している。
腎硬化症

糖尿病の三大合併症、糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症・糖尿病性神経症さらには糖尿病性細動脈硬化。いずれも発症してしまうと(  )。
治すことが出来ない[症例で問題が出る]

慢性腎不全の治療


血液透析のために、動静脈を吻合する(  )を行う。
内シャント手術

血液透析と腹膜透析のどちらを勧めますか?[200~300字程度]

【腹膜透析】は自己管理が大きなウェイトを占める治療。
・10年以上たつと多くの場合腹膜機能が低下してくる。
・通院回数が少なく社会復帰に適する。
・血行動態が安定しており、新生児・乳児や心機能低下患者にも可能。
・食事や水分の制限が緩やか。

【血液透析】は主に病院管理の治療。
・普及率が高い。
・歴史が長く、長期透析が可能という実績がある。
・週3回の通院という時間の拘束がある。
・循環器系への負担が大きい。
・食事や水分の制限が必要。


例文[273文字]
腹膜透析は10年以上経過すると、
腹膜機能が低下してくる。
そのため余命の見込みが10年以上ある場合、
歴史が長く、長期透析の実績がある血液透析を勧める。
また、血液透析には、週3回の通院が必要という拘束があるが、
定期的に診断が受けられるというメリットであるとも言える。
ただし、血液透析は、循環器への負担が大きく、
食事や水分の制限が多いことは理解しておく必要がある。
とくに、たんぱく質とカリウムの摂取量には注意が必要であることを説明する。
何十年も透析療法をしながら生活している患者もたくさんいることを説明し、
自分にあった透析療法を前向きに検討してもらう。

急性腎不全


頻度は高くないが覚えておきたい急性腎不全の原因疾患
①(  )②(  )③(  )
①溶血性尿毒症症候群[O-157]
②横紋筋融解症[筋肉の損傷]
③急速進行性腎炎


病態生理学Ⅲ(泌尿器)


【小テスト1】

1.腎癌の薬物療法を1つ答えよ。(  )
分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬)・免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)

2.腎癌の主な3つの症状(古典的三徴)ではないものを以下の中から1つ選べ。(  )
①リンパ節腫大 ②腹部腫瘤 ③無症候性血尿 ④側腹部通
①リンパ節腫大

3.膀胱癌・腎盂尿管癌のリスクファクターとして重要なのは(  )である。
喫煙・職業歴

4.膀胱癌・腎盂尿管癌の症状として一般的なのは(  )である。
(無症候性)血尿

5.前立腺癌の血液検査で最も有用な腫瘍マーカーは(  )である。
PSA(前立腺特異抗原)

6.前立腺癌の主な治療法には手術療法・(  )・内分泌療法がある。
放射線療法

7.精巣腫瘍の主な腫瘍マーカーを1つ答えよ。(  )
hCG・AFP・LDH

8.排尿時には(  )神経が、畜尿時には(  )神経が働く。
副交感神経  交感神経

9.男性の尿道長は女性より(  )。
(約5倍)長い

10.過活動膀胱に伴いやすく、尿意が突然起こり我慢できずにもれるのは(  )性尿失禁である。
切迫

11.咳・くしゃみ・重いものを持つなど腹圧が急激に上昇した場合にもれるのは(  )性尿失禁である。
腹圧

12.前立腺肥大症の主な症状(排尿症状)ではないものを以下の中から1つ選べ。(  )
①排尿困難 ②頻尿 ③血尿 ④残尿感
③血尿

13.尿路結石ではないものを以下の中から1つ選べ。(  )
①腎結石 ②尿管結石 ③前立腺結石 ④サンゴ状結石
③前立腺結石

14.発熱しない尿路感染症には(  )がある。
膀胱炎・尿道炎

15.尿路感染症の起因菌として最も多いのは(  )である。
グラム陰性桿菌(特に大腸菌)

16.精巣炎の原因は(  )ウイルスである。
ムンプス

【小テスト2】

123.前立腺癌の治療法を3つ答えよ。(  )・(  )・(  )
手術療法  放射線療法  内分泌療法

45.畜尿時には(  )神経が、排尿時には(  )神経が働く。
交感神経  副交感神経

6.前立腺がんの血液検査で最も有用な腫瘍マーカーは(  )である。
PSA(前立腺特異抗原)

7.尿路結石の診断方法は(  )がある。
①腹部レントゲン撮影(KUB)
②腹部超音波検査(エコー)
③CT
(④静脈性尿路造影)

89.尿失禁には(  )性尿失禁と(  )性尿失禁の2つのタイプがある。
切迫  腹圧

10.膀胱がんのリスクファクターとして重要なのは(  )である。
喫煙・職業歴

11.膀胱がん・腎盂尿管癌の症状としては(  )が一般的である。
無症候性血尿

12.男性の尿道長は女性より(  )。
長い

13.発熱しない尿路感染症には(  )がある。
膀胱炎・尿道炎

14.前立腺肥大症の診断方法は(  )がある。
直腸指診・尿流測定・直腸エコー・内視鏡検査

15.排尿機能を司る神経機構が侵され、排尿障害を起こす病気を(  )という。
神経因性膀胱

16.急性腎盂腎炎の特徴的な身体診察初見として(  )がある。
腰背部痛(腎叩打痛)

17.精巣炎の原因は(  )である。
ムンプスウイルス

18.膀胱癌の内視鏡的手術は(  )という。
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)[T1(筋層に浸潤しない)までの癌が適応]

19.膀胱癌の治療として(  )の膀胱内注入がある。
BCG(結核菌)

20.尿路感染症の起因菌として最も多いのは(  )である。
グラム陰性桿菌(特に大腸菌)

【小テスト3】

1.腎癌の薬物療法を1つ答えよ。(  )
分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬)・免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)

2.腎癌の主な3つの症状(古典的三徴)ではないものを以下の中から1つ選べ。(  )
①無症候性血尿 ②排尿痛 ③腹部腫瘤 ④側腹部痛
②排尿痛

3.膀胱癌・腎盂尿管癌のリスクファクターとして重要なのは(  )である。
喫煙・職業歴

4.膀胱癌・腎盂尿管癌の症状として一般的なのは(  )である。
無症候性血尿

5.前立腺癌の血液検査で最も有用な腫瘍マーカーは(  )である。
PSA(前立腺特異抗原)

6.前立腺がんの治療法には手術療法・放射線療法・(  )療法がある。
内分泌療法

7.精巣腫瘍の主な症状は(  )である。
陰嚢の無痛性腫大

8.畜尿時には(  )神経が、排尿時には(  )神経が働く。
交感神経  副交感神経

9.男性の尿道長は女性より(  )。
長い

10.過活動膀胱に伴いやすく、尿意が突然起こり我慢できずにもれるのは(  )性尿失禁である。
切迫

11.咳・くしゃみ・重いものを持つなど腹圧が急激に上昇した場合にもれるのは(  )性尿失禁である。
腹圧

12.前立腺肥大症の診断方法は(  )がある。
直腸指診・尿流測定・直腸エコー・内視鏡検査

13.尿路結石の診断方法には(  )がある。
①腹部レントゲン撮影(KUB)
②腹部超音波検査(エコー)
③CT
(④静脈性尿路造影)

14.発熱する尿路感染症には(  )がある。
腎盂腎炎・急性前立腺炎・精巣上体炎・精巣炎

15.尿路感染症の起因菌として最も多いのは(  )である。
グラム陰性桿菌(特に大腸菌)

16.精巣炎の原因は(  )ウイルスである。
ムンプス

授業プリント


尿管の長さ=(  )
25cm~30cm

尿管は(  )に覆われており、(  )により尿を下方に運ぶ。
移行上皮  蠕動運動

腹圧性尿失禁を説明せよ。(  )
咳・くしゃみ・重いものをもつなど腹圧が急激に上昇した場合に漏れる。
中高年女性に多く、治療には骨盤底筋体操が効果的。

切迫性尿失禁を説明せよ。(  )
過活動膀胱に伴いやすく、尿意が突然起こり我慢できずにもれる。
投薬治療(抗コリン薬)を行う。

(  )は(  )に多い。精巣血流の消失。
処置が遅れると精巣壊死をきたすので(  )以内に手術を行う。[胃はカラにする]
精巣捻転  思春期  6時間以内

精子の造成=(  )細胞
男性ホルモン(テストステロン)の分泌=(  )細胞=95%精巣由来
セルトリ細胞  ライディヒ細胞

(  )とは、血液検査で前立腺がんを見つける簡便な検査法である。
PSA検査(Prostate Specifi Antigen)

(  )で石様硬があると、がんの可能性がある。前立腺がんは骨転移しやすい。
直腸診

前立腺肥大症の薬物療法では、(  )・(  )などを使用する。
αブロッカー  抗アンドロゲン

腎細胞がんの古典的3主徴は(  )・(  )・(  )
肉眼的血尿  腹部腫瘤  側腹部痛

ウィルムス腫瘍は(  )に出やすい。
小児

1歳までの停留精巣は(  )
問題ない

(  )は細菌の直接感染による腎実質・腎盂の炎症であり、腎炎(糸球体腎炎)とは別の疾病。
上行性感染が多い。腰背部痛がある。治療として抗生剤投与を行う。
腎盂腎炎

精巣炎の原因は(  )であり、尿道炎の原因は(  )が主である。
ムンプスウイルス  クラミジア

膀胱癌について、T2は筋層浸潤があり、(  )が適応される。
膀胱全摘
尿路上皮で覆われている、腎・尿管・膀胱をすべて摘出しなければならない。

腎盂癌と尿管癌の特徴。①(  )②(  )
①転移があっても取れればできるだけ手術でとる。
②抗がん剤や放射線は効かない。

放射線療法治療後の有害事象で排尿痛・排便困難・尿道狭窄・勃起障害・(  )・(  )などがある。
膀胱炎  直腸炎



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