病態生理学Ⅳ(血液・造血器)

「第1回:血液の生理と造血のしくみ」

【血液の生理と造血のしくみ】

造血幹細胞は骨髄の中で盛んに細胞分裂を行い、(  )・(  )・(  )に成長する。
赤血球  白血球  血小板

★造血幹細胞は2つの能力を兼ね備えている。
①(  )
②(  )
①自己複製能力……細胞分裂によって自らと同じ造血幹細胞を複製する。
②多分化能力……複数の血球系等に分化する。


【血液の成分と機能】

血漿には多くの蛋白が含まれている。これを血漿蛋白という。
血漿蛋白=(  )+(  )
血液凝固因子  血清蛋白

血清蛋白=(  )+(  )
アルブミン  グロブリン

★グロブリンのうち、γグロブリンはそのほとんどを(  )が占め、(  )に関与する。
免疫グロブリン  液性免疫

好中球は(  )に対し、強い(  )を持つ。遊走能がある。
細菌感染  貪食

好酸球は(  )に対する防御作用を持つ。アレルギー反応を抑制するよう働く。
寄生虫

好塩基球は顆粒にヒスタミンを含み、炎症部位の血管を拡張させ、ヘパリンが血液凝固を抑え、好中球の働きを助け、(  )を引き起こす。
即時型アレルギー反応

単球・マクロファージの機能と役割は①(  )②(  )③(  )④(  )
①殺菌作用
②抗原提示作用……T細胞に伝える。
③抗腫瘍作用……腫瘍細胞を傷害する。
④サイトカイン産生

リンパ球は(  )・(  )・(  )の3つに分けられる。
T細胞  B細胞  NK細胞

★好中球やマクロファージが病原体を食べる免疫の仕組みを(  )という。
自然免疫

★B細胞が抗体を作ったり、キラーT細胞が感染細胞を殺す免疫の仕組みを(  )という。
獲得免疫

B細胞は成熟すると(  )となり、抗体を産生するようになる。
形質細胞

B細胞の細胞膜表面には自分で作った抗体(  )が付着している。
B細胞受容体:細胞表面免疫グロブリン

★B細胞が抗体をつくる免疫を(  )という。
液性免疫

★マクロファージが貪食する免疫を(  )という。
細胞性免疫

ヘルパーT細胞は何をヘルプするのかによって2種類存在する。
(  ):マクロファージ、キラーT細胞の活性をヘルプする。
(  ):抗体産生(B細胞)へのヘルプをする。
Th1  Th2

一次止血は(  )が関与し、二次止血は(  )が関与する。
血小板(寿命10日)  凝固因子(フィブリンなど)

凝固因子のうち(  )は(  )で合成され、合成には(  )が必要とされる。
Ⅱ・Ⅸ・Ⅶ・Ⅹ(にくなっとう)  肝細胞  ビタミンK

(  )は(  )依存性凝固因子の合成を抑制するので、(  )は禁止する。
ワーファリン  ビタミンK  納豆

外因系凝固反応(Ⅲ・Ⅶ)による検査値を(  )という。
プロトロンビン時間(PT)

内因系凝固反応(Ⅻ・Ⅺ・Ⅸ・Ⅷ)による検査値を(  )という。
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)

血栓のフィブリンを溶解させることを(  )という。
線溶(線維素溶解)

線溶の主役は、強力な蛋白分解作用を持つ(  )である。分解されたフィブリンは(  )となる。
プラスミン  フィブリン分解産物(FDP)

プラスミンの前駆物質は肝臓で産生される(  )であり、(  )によりプラスミンに活性化される。
プラスミノゲン  プラスミノゲンアクチベーター(PA)
[アクチベーター:活性化]

線溶の抑制の方法は、
①プラスミンを直接阻害する(  )を利用。
②プラスミノゲンアクチベーター(PA)を抑制する(  )利用。
①α2-プラスミンインヒビター(α2-PI)
②プラスミノゲンアクチベーターインヒビター(PAI)


「第2回:症状とその病態生理」



【貧血】

一般に貧血の判断は(  )が指標となる。
ヘモグロビン濃度(Hb) [その他、ヘマトクリット(Ht)、赤血球数(RBC)など]

【成人の末梢血検査の基準値】
赤血球数(×10^4/μL):男(  )  女(  )
男450~500  女400~500

ヘモグロビン値(g/dL):男(  )  女(  )
男14~18  女12~16

ヘマトクリット値(%):男(  )  女(  )
男35~45  女33~43

白血球数(/μL):(  )
3500~8500

★貧血とはWHOの基準によりHb値が男性(  )以下、女性(  )以下に減少した状態をいう。
13g/dL  12g/dL

慢性的にゆっくり進行した貧血では(  )以下まで低下しないと症状が出現しないことがある。
7g/dL

赤芽球経細胞の分化・増殖の促進は(  )で産生される(  )が行う。
腎臓  エリスロポエチン(EPO)

巨核球細胞[血小板]の分化・増殖の促進は(  )で産生される(  )が行う。
肝臓  トロンボポエチン(TPO)

★造血幹細胞は(  )、(  )などの性質を持つ。
自己複製能  多分化能

★鉄欠乏性貧血の特徴の代表として(  )がある。
さじ状爪(中央がへこむ)

★貧血の種類
①(  ):エリスロポエチンの産生低下
②(  ):造血幹細胞の異常
③(  ):ビタミンB12、葉酸欠乏によるDNA合成障害による赤芽球の成熟障害。
④(  ):ヘモグロビン合成生涯による赤芽球の成熟障害。
①腎性貧血
②再生不良性貧血
③巨赤芽球性貧血
④鉄欠乏性貧血


【白血球増加症および減少症】

血中に送られて間もない未熟な好中球は、(  )と呼ばれる。成熟するに従い(  )と呼ばれる。
桿状核球(カンジョウカクキュウ)  分葉核球(ブンヨウカクキュウ)

正常時は分葉核球が多いが、感染時は未熟な桿状核球が多くなる。この減少は(  )と呼ばれる。
好中球の左方移動

白血球減少の一番の問題点は(  )である。
感染症


【リンパ節腫脹および増加症】

脾臓の機能が亢進したときに脾臓の腫大をきたす。
【脾臓の機能】
①(  )する機能。
②抗原や細菌を認識して(  )する機能。
③血小板などの血球を(  )する機能。
④胎生期の造血組織であり、骨髄での造血障害時に骨髄に代わって(  )する機能。
①老化した血液(血球)を除去
②抗体を産生
③プール(ためる)
④造血する


【出血性素因】

★止血機構が障害され、出血傾向を示す疾患を出血性素因という。
【出血傾向の原因】
①(  )の異常 ②(  )の異常 ③(  )の異常
①血管壁 ②血小板 ③凝固・線溶系

★血小板減少、血小板機能異常では(  )、斑状出血、鼻出血、歯肉出血などの症状をきたす。
点状出血(体表面の出血)

★血友病などの凝固異常では(  )、関節内出血などの(  )をきたす。
筋肉内出血  深部出血

血小板機能を見る検査として(  )がある。
出血時間

★薬剤として(  )、(  )は血小板の凝集抑制作用をもつ。主に動脈塞栓予防。
バファリン  バイアスピリン

★薬剤として(  )、(  )は抗凝固作用をもつ。主に静脈塞栓予防。
ワーファリン  ヘパリン

出血時間の測定の方法として、日本では耳を穿刺する(  )が広く用いられる。基準値は1~5分。
Duke法(デューク)


「第3回:検査と治療・処置」

【末梢血検査】

★血液疾患の診断のためには(  )と同時に血球の(  )が重要。
血球計算  形態検査[白血球分画を調べる]

結果の分析により、他の疾患では説明できない、変化が急速、白血球・赤血球・血小板の全てに異常が見られる場合は(  )を行う。
骨髄穿刺・骨髄生検


【骨髄穿刺・骨髄生検】

骨髄穿刺及び骨髄生検の第一選択部位は(  )である。
腸骨(後腸骨稜)

★骨髄穿刺のみを行う場合、胸骨第二肋間を選択することもあるが、(  )や(  )などの重篤な合併症を起こす可能性があるので、 腹臥位が取れない特別な理由がある場合に限る。
出血  心タンポナーゼ


【リンパ節生検】

悪性リンパ腫では確定診断のために(  )が不可欠である。
リンパ節生検


【血液型と輸血】

★★ABO式血液型判定には、
①患者の(  )と(  )の反応をみる(  )と、
②患者の(  )と(  )を用いた(  )がある。
①血球と試薬(抗体)の反応をみる表試験
②血清(抗体)と既知の血球の反応をみる裏試験

★表試験で抗A血清陽性、裏試験でB型血清陽性の場合、血液型は(  )と判定される。
A型

★表試験で抗A血清、抗B血清ともに陰性で、裏試験でA型血球、B型血球とも陽性の場合、血液型は(  )と判定される。
O型

★(  )の妊婦から(  )の胎児を妊娠すると、(  )時に胎児に抗D抗体が胎盤を通じて溶血を起こす。 初回出産時に抗Dグロブリン製剤を投与して、抗体産生予防が必要。
Rh(-)  Rh(+)  第2子妊娠時

★輸血の検査として(  )がある。
交差適合試験(クロスマッチ)

★★交差適合試験には、“供血者の血球”と“患者の血清”の凝集反応をみる(  )と、 “患者の血球”と“供血者の血清”の凝集反応をみる(  )がある。 (  )でなければ輸血できない。
主試験  副試験  主試験・副試験ともに陰性

輸血の副作用には即時型のものと遅延型のものがある。
即時型には①(  )反応と②(  )反応がある。
溶血反応  非溶血性急性反応

★溶血反応には(  )によるものと、(  )によるものがある。
ABO不適合(異型)輸血  不規則抗体による溶血

★ABO不適合(異型)輸血は、血管(  )溶血であり、(  )型、程度は(  )。
血管内溶血  即時型  重篤

★不規則抗体による溶血は、血管(  )溶血であり、(  )型、程度は(  )。
血管外溶血  遅延型  軽症

★非溶血性輸血副作用としては(  )・(  )・(  )・(  )などがある。
アナフィラキシーショック  菌血症  DIC  循環不全

遅延型の輸血の副作用としては、ウイルス感染、血小板輸血不応状態、輸血後(  )、輸血関連急性肺障害(TRALI)がある。
GVHD(移植片対宿主病)


【造血器腫瘍】

★★造血器腫瘍は主に(  )と(  )に分かれる。
骨髄系腫瘍  リンパ系腫瘍

★造血器腫瘍は遺伝子の検査をすることが多いが、(  )するわけではない。
親から子へ遺伝

★血液細胞は免疫に関係することが多いため、(  )となり感染症を合併する。
免疫不全状態

★★骨髄内で腫瘍細胞が増殖し、(  )が抑制される。したがって、(  )・(  )・(  )などをきたす。
正常造血  貧血  白血球減少  血小板減少

(  )、生殖器などの多臓器に容易に浸潤する。
中枢神経

★凝固系が活性化され、(  )をきたしやすい。
播種性血管内凝固症候群(DIC)

多くの場合は、発症時に腫瘍細胞が全身に回っているため、(  )や(  )では根治できず、行われない。[他の固形がんとの違い]
手術  放射線

★★造血器腫瘍の治療の基本は(  )である。
化学療法(抗癌剤)

造血器腫瘍に特徴的な治療として①(  )②(  )③(  )④(  )
①造血幹細胞移植 ②分化誘導療法 ③分子標的療法 ④遺伝子療法

★★その他、(  )、(  )、(  )に対する(  )を行う。
易感染状態  出血傾向  貧血  支持療法

★血液悪性腫瘍に対する治療方針は(  )や(  )が第一選択である。
化学療法  支持療法

★★抗がん剤の副作用として致命的なものは(  )・(  )・(  )である。
感染  出血  骨髄抑制

★抗がん剤の副作用として致命的ではないが、患者の肉体的・精神的苦痛として挙げられるものは(  )や(  )などがある。
吐き気  脱毛

★抗癌剤で治療抵抗性となった場合に(  )が選択される場合がある。
造血幹細胞移植

★造血幹細胞移植は(  )や(  )、(  )に存在する造血細胞を集め、 大量化学療法を実施した白血病や悪性リンパ腫患者に移植して、低形成となった骨髄を回復ささせ、治療を目指す。
骨髄  末梢血中  臍帯血中

ドナーの骨髄中に含まれるリンパ球が宿主の組織を異物として攻撃するための免疫反応を(  )という。
移植片対宿主病(GVHD)

GVHDの治療としては①(  )②(  )がある。
①ステロイド療法 ②免疫抑制剤

(  )とは、腫瘍細胞の分化阻害のブロックを解除し、腫瘍細胞を成熟細胞に誘導させる[戻す]ことで抗腫瘍効果を示す。
分化誘導療法

(  )とは、腫瘍細胞の増殖に必要な分子を直接の標的にし、腫瘍細胞の増殖を抑制して根絶を目指す。
分子標的療法

分子標的療法の薬には(  )・(  )・(  )・(  )などがある。
グリペック  リツキサン  マイロターグ  ベノサイト


「第4回:疾患の理解①」

【鉄欠乏性貧血】

★(  )はヘモグロビン合成に必要な鉄が不足して起こる。
鉄欠乏性貧血

★★鉄欠乏性貧血の原因は①(  )②(  )③(  )などが多い。
①消化管出血 ②月経過多 ③妊娠

鉄欠乏性貧血では原則として(  )はしない。鉄剤投与や鉄欠乏の原因の治療を行う。
輸血

鉄欠乏の症状としてはさじ状爪や(  )がある。下の表面が赤くなる。舌がつるつるになる。舌乳頭萎縮。
赤色平滑舌

★★鉄の1日必要量は(  )mg。鉄の排泄量は(  )mg。
1mg  1mg
【巨赤芽球性貧血】

(  )はビタミンB12や葉酸欠乏によりDNA合成が障害されて起こる貧血。
巨赤芽球性貧血

★★巨赤芽球性貧血の検査では(  )をみる。
無効造血による汎血球減少
[無効造血……骨髄では血球前駆細胞がつくられているにも関わらず成熟途中で死滅してしまう]

鉄欠乏性貧血では赤色平滑舌がおこっていたが、巨赤芽球性貧血では(  )がおこる。
ハンター舌炎[舌は平滑で光沢を呈している]
【再生不良性貧血】

再生不良性貧血とは(  )の異常により骨髄での造血能が低下し、細胞成分の乏しい脂肪髄、汎血球減少をきたす難治性疾患。
多能性造血幹細胞


「第5回:疾患の理解④」

【異常タンパク血症】

★★(  )とは、骨髄における(  )の癌である。
多発性骨髄腫  形質細胞

多能性造血幹細胞→リンパ系造血幹細胞→Bリンパ芽球→Bリンパ球→(  )
形質細胞

★★形質細胞がガン化し骨髄腫細胞となると(  )が進んだり、(  )が産生され腎機能が低下したりする。また、貧血・免疫低下がおこる。
骨の破壊  Mタンパク(モノクロナール抗体)

★IgG型多発性骨髄腫では血液・尿の免疫電気泳動により(  )分画に幅の狭い峰がみられる。
γグロブリン

★★多発性骨髄腫の臨床症状として(  )・(  )・(  )・(  )がみられる。
骨病変(骨融解)[頭蓋骨に穴=打ち抜き像]  貧血  感染症  腎機能障害

多発性骨髄腫の種類はIMWG分類で最も多いのは(  )。Mタンパクや骨髄細胞が増殖し臓器が障害を受けている。化学療法や造血幹細胞移植などで治療する。
症候性多発性骨髄腫(MM)

★★多発性骨髄腫の診断:ISSでは(  )から治療を開始する。
病期Ⅱ  [Ⅰは経過観察]

多発性骨髄腫の治療ではプロテアソーム阻害剤である(  )などを使用する。
ベルケイド


【出血性疾患】

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)について、ヘリコバクター-ピロリ陽性ITPでは(  )により血小板増加がみられ、ITPに有効である。
除菌療法

★播種性血管内凝固症候群(DIC)について、出血症状が主体の場合、(  )を使用してはならない。
ヘパリン



血液・造血器の疾患


血液・造血器の疾患
①急性白血病
②骨髄異形成症候群(MDS)
③成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)
④ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫
⑤多発性骨髄腫


急性白血病の造血障害の症状は(  )・(  )・(  )
臓器浸潤の症状は中枢神経症状(頭痛・嘔吐)・リンパ節腫脹・歯肉腫脹・肝脾腫
出血傾向  易感染性  貧血

骨髄穿刺の30分後に観察すべき項目で優先度が高いのはどれか?
①経皮的動脈血酸素飽和度
②穿刺部の止血状態
③下肢の運動障害
④眼瞼結膜
②穿刺部の止血状態

造血幹細胞移植で正しいのはどれか?
①患者と骨髄提供者の性別が一致している必要がある。
②移植後2週間で退院できる。
③移植前処置が必要である。
④手術室で行う。
③移植前処置が必要

免疫抑制薬の内服を継続しつつの退院に向けた看護指導で正しいのはどれか?
①皮膚の状態がよくなれば免疫抑制薬は中止してください。
②加熱していない魚介類を食べるのは避けましょう。
③インフルエンザワクチンの摂取は避けてください。
④直接日光に当たらないようにしましょう。
⑤入浴は最小限にしてください。
②加熱していない魚介類を食べるのは避けましょう。
④直接日光に当たらないようにしましょう。

抗がん剤の副作用と支持療法について、
①骨髄抑制[感染症・出血・貧血]に対しては(  )を行う。
抗菌薬・手洗い・うがい・無菌室入室・G-CSF投与・血小板輸血・赤血球輸血

②消化管粘膜[口内炎・悪心・嘔吐・下痢]に対しては(  )を行う。
うがい・歯磨き・クライオセラピー・制吐剤・補液・止痢薬

③毛包[脱毛症]に対しては(  )を行う。
医療用かつら・帽子・バンダナ



もどる