公衆衛生看護活動展開論Ⅰ

「国試問題」


★地域アセスメントを行う際、地域の健康に影響する背景や要因を把握するために、 既存の統計資料よりも保健師の地域活動から得ることが適切な情報はどれか。
①生活環境
②主観的健康観
③地域の主要疾病
④年齢別人口構成
①生活環境
[②はアンケートなどからとる。]

★★コミュニティ・アズ・パートナーモデルで正しいのはどれか。[授業で2回出題]
社会診断から開始する。
学習理論を基盤としている。
③介入は予防的視点で実施する。
④地域の物理的環境がアセスメントの中核である。
③介入は予防的視点で実施する。
[①は地域診断から開始するが正しい。
 ②はシステム理論を基盤とするのが正しい。
 ④は住人が中隔であるのが正しい。]

★健康増進法に基づき A 市が策定した第2次健康増進計画の見直しを、 住民と一緒に行うことにした。計画の見直しを担当する A 市の保健師が最初に行うのはどれか。
①住民から要望を聞く。
②長期的な目的と目標を考える。
③他市の健康増進計画について情報収集する。
④保健師や他の専門職を集めた会議を開催する。
⑤現計画の実施で明らかになった健康課題をまとめる。
⑤現計画の実施で明らかになった健康課題をまとめる。

★保健師の行う地域診断で適切なのはどれか。
①実践活動とは別の活動として行う。
②地区踏査による情報は優先度が低い。
③人口5000人以下の場合は行わない。
④地域の状況にあった活動の方法を見出すことができる。
④地域の状況にあった活動の方法を見出すことができる。

★地区踏査による情報収集の特長はどれか。
①地区の環境を把握することができる。
②地区の医療費を分析することができる。
③地区の健康指標の情報を得ることができる。
④1回の地区踏査で十分な情報を得ることができる。
①地区の環境を把握することができる。
[地区踏査では、地域の住宅の状況、公共交通機関の状況、人々の様子等、地区の状況を把握することができる。]

★地域診断のために地区踏査から得る情報はどれか。
①人口構成
②住宅の状況
③基本健康診査受診結果
④保健・医療・福祉施設
②住宅の状況

★地区活動計画で適切なのはどれか。
①地区活動の対象者は昼間人口とする。
②前年度の実績を参考に活動目標を設定する。
③地域の保健計画とは連動しない。
④活動計画に評価方法は含まない。
②前年度の実績を参考に活動目標を設定する。

★自治体の保健師が地域の健康課題を解決するために新たな事業を計画・実施していくプロセスで適切なのはどれか。
①費用対効果を考慮する。
②評価指標は事業の実施後に決める。
③自治体の施策体系と独立して位置付ける。
④住民のニーズは事業を実施しながら把握する。
①費用対効果を考慮する。
[評価指標は計画の時点で決める]

★地域アセスメントを行う際、地域の健康に影響する背景や要因を把握するために、既存の統計資料よりも保健師の地域活動から得ることが適切な情報はどれか。
①生活環境
②主観的健康観
③地域の主要疾病
④年齢別人口構成
①生活環境

★コミュニティ・アズ・パートナーモデルによって地域アセスメントを行う際に、コミュニティコアに含まれるデータはどれか。
①失業率
②緑地面積
③医療機関数
④地域の人口
④地域の人口
[①失業率は「経済」
 ②緑地面積は「物理的環境」
 ③医療機関数は「保健医療と社会福祉サービス」]

プリシード・プロシードモデルで適切なのはどれか。
①介入前後の脳血管疾患死亡率の比較はプロセス評価である。
②禁煙を継続しているときの家族の励ましは実現要因である。
③事業に必要な予算や人材を明らかにすることは環境診断である。
④「酒の自動販売機を50%減らす」は環境改善を目指した目標である。
④「酒の自動販売機を50%減らす」は環境改善を目指した目標である。


「活用できる理論モデル」

【コミュニティ-アズ-パートナーモデル(CAPモデル)】

★★コミュニティ-アズ-パートナーモデル(CAPモデル)の概略。
①アセスメント
②分析
A.ストレッサー
B.反応の程度
③地域の看護診断
④計画
⑤介入
⑥評価

★コミュニティ-アズ-パートナーモデル(CAPモデル)の対象は(  )
コミュニティ全体

CAPモデルを利用して活動を進める際の保健師の役割は(  )。
コミュニティがより健康になるように支援していくこと

★住民は車輪の中に含まれている8つのサブシステムと相互に影響しあっている。
8つのサブシステム=(  )
①物的環境
②教育
③安全と交通
④政治と行政
⑤保健医療と福祉サービス
⑥コミュニケーション
⑦経済
⑧レクリエーション
[語呂合わせ:アホ これ ブキ けせ]

★モデルの特徴
コミュニティ-アズ-パートナーモデルには2つの主要要素がある。
①(  )をパートナーとしてとらえる視点。
②(  )をこのモデルのなかに組み込んでいること。
 とくに、(  )と「(  )」は評価の要素として重要。
①コミュニティ
②看護プロセス
ストレッサー  反応の程度


【プリシード-プロシードモデル】

★★プリシード-プロシードモデルの概略。
①ヘルスプロモーション [問題]
②準備因子
③強化因子
④実現因子
⑤生活習慣と保健行動
⑥生活環境
⑦健康状態 [BMIを改善する等]
⑧QOL [どうなりたいか?カッコよくなりたい等]

(  )に関わるプリシードの部分と、
(  )に関わるプロシードの部分から成り立っている。
診断と計画  実施・評価

★プリシード-プロシードモデルの特徴
①(  ):健康状態とQOLは様々な社会・環境要因の影響を受けている。
②(  ):個人への意識づけ、知識、技術への働きかけを通して、集団全体への影響を持つように活用する。
という考え方からなる。
①エコロジカル・アプローチ
②教育的アプローチ

★「タバコをやめたい」と思う人は男女とも6割以上いることがわかった。 プリシード-プロシードモデルの要因はどれか。
準備要因

★【プリシード-プロシードモデルの段階】
第1段階:(  )
社会アセスメント

第2段階:(  )
疫学アセスメントと行動・環境アセスメント

第3段階:(  )
教育/エコロジカルアセスメント

第4段階:(  )
運営・政策アセスメントと介入調整

第5段階:(  )
実施

第6段階:(  )
プロセス評価

第7段階:(  )
影響評価

第8段階:(  )
成果評価


「公衆衛生看護活動の展開における地域アセスメント(地域診断)」

【公衆衛生とは】

【ウィンスローの定義】
公衆衛生とは、疾病を予防し、延命をはかり、身体的および精神的健康を増進する科学と技術であり、 また組織的なコミュニティの努力によって環境衛生をはかり、伝染病を制圧し、各自が自分で衛生面に対処するという原則に基づき 1人ひとりを教育し、疾病を早期に診断し治療するために必要な医療と看護のサービスを組織し、 健康を維持するのに必要な生活水準を、そのコミュニティのすべての個人に保障するような社会制度を開発することを、 能率的に行うことを促進する。

【日本国憲法第25条】
<第1項>
すべて国民は、(  )を有する。
健康で文化的な最低限度の生活を営む権利

<第2項>
国は、すべての生活部面について、(  )、(  )及び(  )の向上及び増進に努めなければならない。
社会福祉  社会保障  公衆衛生

予防の3段階とは具体的に、
一次予防:(  )
二次予防:(  )
三次予防:(  )
一次予防:健康増進・特異的予防(健康教育・ワクチン)
二次予防:早期発見・早期治療(人間ドック)
三次予防:障害発生予防・リハビリテーション(投薬)


【公衆衛生看護活動の展開の基本】p110

★保健師の保健活動の基本的な方向性
保健師は、以下の事項について留意の上、保健活動を行うこと。
①(  )
②個別課題から地域課題への視点及び活動の展開
③予防的介入の重視
④地区活動に立脚した活動の強化
⑤地区担当制の推進
⑥地域特性に応じた健康なまちづくりの推進
⑦部署横断的な保健師活動の連携及び協働
⑧地域のケアシステムの構築
⑨各種保険医療福祉計画の策定及び実施
⑩人材育成
①地域診断に基づくPDCAサイクルの実施

PDCAサイクルとは、
P:(  )
D:(  )
C:(  )
A:(  )
Plan:計画
Do:実施
Check:点検・評価
Action:調整・改善

公衆衛生看護の活動対象は①(  )②(  )③(  )である。
①個人・家族
②集団・組織
③地域・関係機関

活動方法の例をいくつか答える。
①個人・家族への接近技法・技術:(  )など
家庭訪問  健康診査  相談  面接

②集団への接近技法・技術:(  )など
健康教育  地域組織活動

③地域への接近技法:(  )など
地域ケアシステム  地域資源開発  地域づくり活動

★WHOの定義では、
「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、(  )にも、(  )にも、そして(  )にも、 すべてが満たされた状態にあること」と定義している。
肉体的  精神的  社会的

保健師に求められる実践能力
①地域の健康課題の明確化と計画・立案する能力。
②地域の健康増進能力を高める個人・家族・集団・組織への継続的支援と(  )・組織活動および評価する能力。
③地域の健康危機管理能力。
④地域の健康水準を高める社会資源開発・システム化・施策化する能力。
⑤専門的(  )と継続的な質の向上能力。
協働  自律


「地域アセスメントの過程」

【地域アセスメントの目的】

地域アセスメントは(  )の顕在的・潜在的な(  )を把握し、その原因・背景を明らかにしながら解決方法を見出すことを目的としている。
個人・家族および地域全体  健康問題


【地域アセスメントの特徴―地域特性の把握】

地域アセスメントを可能にするには、
①健康関連の(  )や調査結果を調べ、
②家庭訪問などの保健師活動や(  )を通じて保健師の目で地域の状況をとらえ、
③住民との(  )からその生活の現状やニーズを知り、
④地域の歴史や(  )、環境についても抑える。
①統計
②地区踏査
③話し合い
④生活習慣

地域アセスメントの対象範囲は3つに大きく分類できる。
①保健所管内、市町村など地方公共団体が管轄するエリア全体。
②保健師の担当地区。
③担当業務の課題。

地域アセスメントが必要となるのは、
①担当事業や担当地域の計画策定・評価のプロセスとして。
②日常の活動における問題意識の確認のため。
③新たな(  )を開始するとき。
事業

★地域アセスメントは、公衆衛生看護活動を効果的に展開していくいためのプロセスである。
看護過程と同様に①(  )②(  )③(  )④(  )というプロセスをたどり、計画→実施・点検→評価→調整・改善につなぐ。
①情報収集
②情報の分析とアセスメント
③情報相互の関連性の検討
④問題の明確化と優先順位の検討

(  ):フィールドワークを用いた研究手法。 現地の人々のものの見方や生活へのかかわりをとらえ、 人々の世界を見る目を理解することが目的。
エスノグラフィ

(  ):対象者の生活・意識・行動の実態を把握するために、 7~8名前後を対象として、司会者が特定のテーマに沿って座談会形式でインタビューと自由討論を行う。
グループインタビュー


「公衆衛生看護活動の計画・実施・評価」

【計画策定とは】

★計画策定のプロセスがある。
①(  ):地方公共団体の政策の総合計画
②(  ):当該自治体の解決すべき健康問題についての具体的な計画
③(  ):基本計画を具体的に実行するための行動計画。
④(  ):③にあがった健康問題ごとに必要な計画を策定。
①基本構想
②基本計画
③実施計画
④事業計画

公衆衛生看護活動の計画は、
保健所の場合は(  )の基本計画を受けて、 保健所の業務単位ごとに実施計画として策定される。
都道府県

計画策定をすること自体が最終目的ではなく、策定した計画を(  )ことが目的である。 そのためには計画策定においては、地域の健康問題に対しての(  )に即した計画を目指すことが重要になる。
実行し成果をあげる  実績

【計画に必要な5つの要素】
①目的の明確化
②目標達成のための条件
③実施計画
④基盤整備計画
⑤(  )
評価計画 [企画評価・経過(プロセス)評価・結果(アウトカム)評価]

関係する住民や関係者とともに計画策定することは、 保健師だけでなく関係する人々が地域の健康に関する問題や課題について共通認識をもつこととなる。 結果として活動への(  )を高め、活動の活性化にもつながる。
参加意欲

(  ):創造性を開発するための集団的思考の技法。
①発言・発案について、よいわるいという批判を一切しない。
②アイデアの発想は自由奔放にする。
③発言・アイデアの質より量を求める。
④他人のアイデアをヒントにした便乗を歓迎する。
ブレーンストーミング法

(  ):創造性開発の技法。小さなカード1枚に1項書き込む。カードから近い内容のものを2~3枚集めてグループ化し、さらに小グループから 中グループ、大グループへと組み立てて図解していく。
KJ法 [川喜田二郎]


【計画策定の具体的な流れ】

(  ):複数の人で物事の結果・原因、目的・方法などの関係性を考えて系統的に図解する方法。「なぜか?」を繰り返して真の原因を追及する。
系統図法

★目標について、
(  ):アイデアやコンセプトなどの文章で表現したもの。
(  ):目標を定量的に数字であらわしたもの。
理念型目標  指標型目標

目標は到達までの期間によって、便宜的に(  )・(  )・(  )の3つに区分される。
長期目標  中期目標  短期目標

目標に対して具体的な行動計画としての実施計画を検討する。
実施計画は、個別対応と集団的対応、ネットワーク化・システム化について、 また、問題解決のための計画だけでなく、問題を悪化させないための方策や、 将来的に問題を発生させないための予防的対策まで考えた計画として、実施計画を立案することが重要である。
実施計画を設定する際には、
特定の対象に対する(  )による活動計画か、
地域全体に対する(  )によるものかを検討し、計画をたてる。
ハイリスクアプローチ
ポピュレーションアプローチ

できるだけ具体的な計画を立案する。
①目的や到達目標をどこにおくのか。
②活動の結果どのような成果が得られるのか。
③ほかへの影響や波及効果をもたらすのか。
④(  )はどのようにするのか。
評価指標

【活動の優先順位の設定について】
①住民のニーズの(  )。
②地域の資源・資金・マンパワーなどによる(  )。
③成果としてどのようなことが期待できるか:(  )
④その成果は実績として短期間にあらわすことができるか:(  )
⑤その成果によって地域の関係機関との連携や調整がはかれるか:(  )
①緊急性・重要性
②実現性・効率性
③具体性
④測定可能性
⑤協働性

(  )は、事業を実施する際の内容や手順などの運営方法を詳細に取り決めた計画である。 その要素には6W1Hが含まれる必要がある。
事業計画

6W1H=(  )
なぜ(Why)
いつ(When)
どこで(Where)
誰が(Who)
誰に(Whom)
何を(What)
どのようにするのか(How)

事業の推進のためには、
①実施内容
②役割分担
③時期
④場所
⑤実施方法
⑥留意点
⑦予算
を具体的に記述していく。

具体的な作業としては、
①できるだけ具体的な計画表・予定表に基づいて事業計画を作成する。
②時間や日程の調整ができるよう事業計画にはゆとりをもたせ、問題が生じたら修正をする。
③計画どおりに遂行できない場合は、その原因を追究し、計画を調整し改善・改良していく。

地域アセスメントから計画の策定・実施・評価というプロセス自体が(  )である。
そのプロセスには問題を解決する大きな力があり、(  )が期待される。 実践的な計画策定の活動は、地域における人々の健康度を向上させていくことになり、 人間関係の豊かな暮らしを築くことができる。
公衆衛生看護活動  波及効果


【公衆衛生看護活動の評価】

評価は(  )・(  )・(  )の3側面からなる。
企画評価  経過評価  結果評価

★(  )や(  )をたてるときに(  )の計画もたてておく。
実施計画  事業計画  評価

評価で使用する指標は、理念型目標を数量で示された(  )型の目標に変換し、 その(  )を示しておくとよい。事業の実施後に、目標で示された効果・効率の指標を分析し、その意味を解釈する。
指標型  到達時期



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