web漫画レビュー――『K』


2013/08/08



漫画レビューの第一回目です。


最初にご了承いただきたいことは、
私自身はうんこみたいな漫画しか描けない!ということです!

調子乗ってんじゃねーよとか思われたらごめんなさい。
他人の漫画をレビューしていく上で、
自分の漫画に足りない部分を改めて見つめなおし、
私自身が向上していきたいという企画です。
書きながら考えてるので支離滅裂な文章になってたりするかも知れませんが許してくりゃれ。





それでは早速――

新都社、少年VIPで連載中の
『K』です。
作者はアキス先生。
※200話終了時点での感想となります。
http://www.geocities.jp/konoatusa/


【ジャンル】
野球漫画

【あらすじ】
友人、恵(ケイ)と甲子園で再会しようという、
幼い頃にした約束を果たすために、
主人公、金田アキラは舞雲高校野球部に入部します。
その過程で強敵とぶつかり、叩きのめされては、
仲間に支えられ、自己の根性で立ち直り、
野球の本当楽しさというものを知っていきます。




~~~~~~~~~



『K』の凄いところと言えば、
何と言っても、
“作品IDが3”であるというところ。

新都社、最古参作品でありながら、
ペン入れまで完成させた原稿を
毎週火曜日に10p~というペースでうpし続けています。

なんと今年で8周年を迎えます。
休載もほとんどなく、
一般の漫画雑誌が休刊となる正月等にも平然と更新が行われるため、
アキス先生はニートなのではないかという噂も流れるほど。
(実際はちゃんと働かれてます)


書き溜めしているという訳ではなく、
直前の土日に漫画を完成させている
そうなので、
コメントでおかしいな?と言った感想があると、
次回更新で、つじつまを合わせる描写を入れたりということもあります。


分かりにくいと思うので例を挙げると、
88話で本来ネクストバッターズサークルにいるはずの白戸が、
ベンチにまぎれているという作画ミス。


これを89話では、
青沼に言いたいことがあったからベンチにいたのだと理由付けます。

――で、結局突っ込まれる白戸w







他には147話のこのシーン。

一見すると、何もおかしくないように見えますが、
その直前で早良は金田の球を「速い―」とし、
真田は「ノビのあるフォーシームで不意をついた」としているモノローグが入っています。

……そう言われても何がおかしいのか分からないかも知れませんが、
描写的に、予想外に球が速くて振り遅れたフォームではないんですよね。
むしろ逆で、球が予想外に遅かった場合のフォームとなっています。

これを148話で、
早良は「自分のスイングスピードに自分でも驚いている」
「金田には大佐古を彷彿とさせる何かがある」

等と言った理由付けをしています。

「大佐古を彷彿とさせる何か~」
という台詞は、その後も何度か使われているので、
本当に後付であるのかどうかは分かりませんが、
作画ミスを本編に繋げて、演出として生かす、
……という技術は参考になります。



その他、金田のグローブが野手用なことも、
後半大きな伏線となってくるのですが、
これも後付設定ではないのかなと思います。

……もし、
後付じゃなかったらごめんなさい(汗




こういったことは、読者と作者の距離が近く、
商業漫画とは違って原稿を何週も前に完成させておく必要がない、
新都社ならではの利点
とも言えますね。

後につじつまを合わせる修正だけではなく、
誤字や描写的に不自然な点を指摘されると、
すぐに修正を加えて下さったりと作者さんの対応のよさにも好感が持てます。



ただ、それが必ずしも良いのかと言えばそうでもなく、

例えば上で紹介した、早良のシーンですが、
148話で唐突に「自分でも驚いている…自分のスイングスピードに…」
と言った台詞が出てくるので、
147話での早良のスイング描写への“指摘”を知らない読者さんにとっては、
あ、そうだったんだ?
と、少し違和感を感じるシーンとなってしまったかも知れません。
実際、そのような内容のコメントも掲載時1件ほどですが、ありました。

原因として、
新都社のコメントが匿名式であることも関係して、
読者全員が特定のコメントと同様の感想を等しく持っていると感じてしまい、
読者が前回の突っ込みどころを分かっていると前提した上での描写となっている
気がします。

ですから、
新都社で漫画を連載する際に注意すべき点として、
“コメントの意見を本編に直接組み込むべきでない”ということが挙げられると思います。


特に長期連載ともなると、
コメント欄の流れというものも変わってきます。

例えば、コメント欄で「腹パンしたい」
という内容のコメントが多く流れていて、
その時は腹パンが読者全員の意見だったとしても、
それで本編に腹パンを取り入れてしまうと、
腹パンブームが去り、コメントが流れてしまったとき、
新規読者さんがその描写を見てどう思うか……という点を考えるべきだと思うのです。








…………さて、
話を変えてKの特徴ですが、

主人公が打たれまくる


ということが挙げられますかね。

モブキャラに対してはほとんどヒットを許さないのですが、
黄金世代とされる2年生相手には打たれる打たれる(汗

黄金世代とモブの間には打率に極端に差があります。
しかしそれが不自然であるかと言えば決してそうではなく、
主要メンバーに打たれて、モブで押さえる……という具合に、
絶妙にバランスのよい調整がされています。

言い換えると、
試合毎に活躍する人物を上手く絞れている
つまり、
その試合で何を魅せたいのかハッキリしている
ということになりますね。



――準決勝の浜田戦での主役は鮫島。
鮫島は金田のナックルに苦戦し、
自分の理想と現実との差に葛藤します。
仲間とも険悪なムードに。

……が。150話。
浜田が1点負けて9回裏。





ついに。




ここまで不調だった鮫島がついにホームラン!



丸々3pを使ったハイタッチシーンは鳥肌もの。




こんな感じで、
試合毎にはっきりとした山場が用意されているので、
最後まで勝負がどうなるのか目を離せません!












最後に総評。

一言で言ってしまえば“最高”ですね!
毎週火曜日が楽しみになる漫画だと思います。


ただ、もしこれから読もうかなと思われた方で、
Web漫画に慣れていないという方は、
chapter :5 初戦
あたりから読み始めることをオススメします。

作画も話もここ辺りから格段によくなっていくので、
とりあえず、初戦だけでも読んでみてはいかがでしょうか><

さりげにURLが各話のサブタイトルにもなっているので、よろしければそちらも確認しつつどうぞ。