web漫画レビュー――『戯画バイト』


2013/08/15


今回紹介するのは、完結作品!
新都社で連載していた(現在登録解除済み)
『戯画バイト』という漫画です。
http://enjoykorea.web.fc2.com/gigaindex.htm





完結作品であり、
絵のクオリティがかなり高い漫画なので、
自信を持ってオススメできる漫画です。

ギャグ漫画で、さくっと読めるので、
web漫画入門としても的確なのではないでしょうか。





【ジャンル】
ギャグ・可変ジャンル漫画

【あらすじ】
男の子に漫画を描いてもらって、
女の子がそれを読む話。
でも最後は――?









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tory_bin漫画で一番オススメ出来るのがこれ。
『戯画バイト』

ギャグ漫画でありながら、
張り巡らせた伏線が物語の終盤、
一気に回収されていきます。



ギャグの邪魔にならないように配慮して、
伏線を前面に押し出しすぎず、
かつ振り返ったときに驚ける。
伏線具合が丁度いい。

そんな、
計算された物語の展開には圧巻です。




完結しているというのも大きなポイント。

素人が非利益で描いているので仕方ないことではあるのですが、
所謂、投げ・エターの多いWeb漫画において、
これだけの人気を持ちながら完結作品であるということは珍しいことです。
長すぎず短すぎず30分程度で読み終えることが出来るので、
是非一度目を通してみてはいかがでしょうか。

私一番のオススメ漫画です。







一番の見所はやはり、
独特なギャグ!





………………はい。





……こんな感じで、
各話の序盤は当たり障りのない普通の漫画っぽい展開を描き、
オチの一点集中でインパクトの強いシュールなギャグを持ってくる
……というのが特徴です。

ここからどうオチへ持っていくのだろうかという期待と、
そこから繋がる予想外の展開が爽快感が堪らないですw


やはりオススメは上で挙げている、
クール卓球便ですかね。

第1話のネタなだけあって、気合が入っています。

掴みの1話だからこそ一番自信のあるネタを持ってくる。
ネタの出し惜しみをしないと言うのは、
読者さんを得ることが出来る漫画の描き方を熟知していて、
ネタ切れ知らずな発想の豊富さがあるtory_bin先生にしか出来ない芸当だなと思いました。


商業漫画では当然なのかも知れませんが、
web漫画は趣味でやってい人がほとんどなので、
やはり、趣味でかつこのクオリティを保てることは本当に凄いです。






少女マンガのような繊細な絵も特徴。
この絵がギャグからシリアスへの変化を引き立てます。

更新ペースを守りつつ、
絵のクオリティを保てる丁度いい力加減で絵を描くというのは、
思うよりも難しいことなので、
流石は長年絵を描いてきている作者さんなだけはあるのだなと感じます。

絵の完成度も一定に保たれていて、
変なところに気を取られず読むことが出来ますね。




結局のところ、
安定度がtory_bin先生の一番の武器なのではないかと思います。



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作者であるtory_bin先生は、現在新都社で、
『侠』『われ望む』と言った漫画を連載中です。

どちらも、
『戯画バイト』でtory_bin先生の漫画の楽しみ方を知ってから読んだ方が
圧倒的に楽しめる
ので、
tory_bin先生の漫画が気になっている方は、
まずこの漫画を読んで欲しいです。

私も初見で『侠』を読んだ際は何が面白いのか分からず戸惑いましたが、
シュール系ギャクを楽しむつもりで再度読んでみると、
確かに各話ごとにオチが付いていて面白いなと感じました。












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ついでに他のとりびん漫画の感想も。
『侠』『われ望む』『戯画バイト』
全体的に中二病チックな描写が多いかもですね。

『われ望む』は、戯画バイトの構成と似ていて、
ストーリー前半をギャグとさりげない伏線で埋め尽くし、
後半、一気に伏線を回収、重い展開を描いていく系統の漫画です。
伏線の量に関しては『戯画バイト』以上。

ただ『われ望む』に関しては、
ギャグ回・シリアス回、どちらか一方に偏りすぎている感じはしますね。
元々ギャグ漫画として見ているので、ギャグに偏るのはいいのですが、
中盤から一転、シリアスに偏るのは少しつらいものがあります。
『戯画バイト』の場合、シリアスなのは最後の1、2話くらいなものなのですが、
『われ望む』の場合は、それがかなり長く続きます。

決して、それが面白くないとは言いませんし、
伏線回収は本当に見事です。
ですから『われ望む』を読むなら、それこそギャグ漫画では無く、
ギャグからシリアスへ変わる漫画だと、
前もって把握した上で、
その伏線回収の美しさを見所に読み進めるのがいいかと思います。

2013/8/15現在、メインで更新中なので、
リアルタイムで更新を追いたい方にはオススメです。





続いて、
『侠』は武侠コメディ 。
かなりの長編となっています。
先程も説明しましたが、初見でこれを読むのは少し厳しいところがあるかも知れません。
まず、オチがどこにあるのかが分からないということも多くあります。
とりびん漫画に慣れてくると、笑いどころが分かってくるのですが、
慣れてない内から読んでいくと、笑いどころが分かりにくく、
何故こんな漫画が人気なのかと疑問を持ってしまいかねません。

商業漫画でも人気なのに面白さが分からないという漫画が多々あると思いますが、
そういうのは大体自分の感覚が欠落しているということなので、
まずは自分の欠陥を見つめ直してみるのが漫画を楽しむコツです。

……とまあ、
実際に面白さが初見ではわかりにくい漫画ではあると思いますし、
長編であるが故に気軽に読み直すということも出来ないので、
まずは、その他のとりびん漫画を読んで、とりびん漫画の魅力を知ってから読むのがオススメです。
とりびん漫画が大好きな私ですら、侠の魅力は一週目では分かりませんでしたからね。







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そして、
地味にオススメなのが、
『Asako&Kazuo』という漫画。
http://enjoykorea.web.fc2.com/kazuo1index.htm
言ってしまえば、嫌韓ギャグ漫画。
とは言っても、(私的には)韓国人の女の子が一番可愛くて、
最終的には仲良くなる漫画なので、
決して偏った倫理観による漫画では無いです。(たぶん)

4コマ漫画で色も付いていてかなり読みやすい漫画です。




好きさで言えば、
とりびん漫画の中で一番好きかもしれない漫画。

本当に面白いです。




とは言え、内容が内容なだけに、
人を選ぶとりびん漫画の中でも、
特に人を選ぶ漫画かも知れません。、
ですが、1話だけでも読んでみてはいかがでしょうか。

思いのほかどんハマりしてしまうかも知れませんよ!


いつでもどこでも、気軽に読めるのがWeb漫画の長所なので、
読まず嫌いせず、ちょろっと目を通してみて欲しいです!