web漫画レビュー――『ゲーム世界へんなの』


2013/08/31


今回は、
新都社、少年VIP連載中な、
『ゲーム世界へんなの』の紹介。

http://komasuzume.yokochou.com/gamesekai.html

……と言いつつも、
“こますずめ”先生の全作品通しての紹介がメインになります。

今回もよく分からない文章がgdgdと続きますが、ご了承ください。


これまで完結作や、
更新停滞気味の作品のレビューばかり書いて来ましたが、
今回紹介する、こますずめ先生の『ゲーム世界へんなの』は、
現在も活動中の漫画です!

面白い漫画なので、
是非、読んでみて欲しいです。
※「便利な武器」更新時点での感想となります。



【ジャンル】
短編集。ギャグ漫画。

【あらすじ】
ゲームの世界は不思議がいっぱい!





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今戦闘中!
シチメちゃん可愛いです。



『ゲーム世界へんなの』ですが、
ゲームの世界の変な部分を題材とした内容となっています。

例えば、1話目。
「1マスのおきて」
丁度道をみっちり塞ぐように立っているおじいさん。

これはあるあるですね。
RPGの定番。
例えばポケモンでよくみる光景です。

初代ではおっさんが泥酔してて、
金銀では戦闘してて、
RSでは足跡マニアみたいな人が道を塞いでて、
……という風な感じ。


ただ、
この理不尽な道塞ぎに突っ込みを入れるのがこの漫画ではありません。


突っ込みを入れたくなるところですが、
題材に使用するだけで、
理不尽さはそのまま放置!

これがこますずめ先生の上手いところで、
読者に、もやもや感を植えつけてきます。

このもやもや感がたまらないw



作中、主人公は、
道を塞いでいるおじいさんを避けるために、
隣の柵を飛び越えて進もうとする
のですが、

その他の登場人物がゲームの世界に忠実で、
「いや、それはダメでしょ」
と突っ込まれます。

読者としては、
まあ主人公の考え方が普通だよなwと笑いつつも、
お前はお前で世界観に合わせろよ!
と思ったり。


とにかく、
読者に突っ込みを入れさせるのが上手い。



シュールなギャグや、勢い任せのギャグとは違って、
短編1本の中に数多くの笑いが詰まった、
計算されたギャグ漫画
と言えますね。



計算されていると言えば、
2話目である「扉とスイッチ」
も特徴的。


場面はアホな勇者が、
魔王の城の簡単な仕掛けを中々攻略できないところを、
通りすがりのおっさんが突っ込みを入れつつ眺めている。

……というところから始まります。

おっさんは突っ込みを入れつつ、
読者は勇者の頭の悪さに笑わせられるのですが、
物語の終盤、おっさん、読者共に、
勇者の発想の転換に驚かされることになります。

「以外とやるじゃねぇか」


――しかし?


最後のオチが秀逸w

正直予想は出来ましたが、
予想していても面白い!

勢いで笑わせることも計算のうち!


読んでみると分かるのですが、
こますずめ先生の手の内でころころと転がされますw

してやられた!
……という感じですね。




それと、画像を見てもらえばわかると思いますが、

まず女の子が可愛いですね!

ラフな絵でありつつも、
要所要所ははっきりと描いてあるため、
キャラの描き分けも出来ていますし、
何をしているのか分かりやすくもあります。


そのコマで、一番見せたいものに
色をつけている
のも特徴。


画像だけを見ると、
読みづらいイメージを持ってしまうかも知れませんが、
実際に漫画を読んでみると、
案外読みやすい!

web漫画ならではの手法だなと思いました。


何度も似たようなことばかり言うようですが、
こますずめ先生は

読者に漫画を読ませることが得意

な作家さんです。





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こますずめ先生の魅力は、
ギャグばかりではありません。

メタ漫画や、
叙述トリックが得意
な作家さんです。




例えば、
『まんがてき』(完結作)


漫画のようなことが現実に起こらないかなーと考える主人公の女の子。
序盤は舞台が現実世界の話であるような描き方をしていますが、
中盤。
漫画の世界でしかありえない展開が続きます。

そして、最終回。
実はこれは「漫画の世界の物語である」
ということが明かされるのですが、
ここからの、“転”の多さたるや。


メタ描写というものは基本的に嫌われやすいものですし、
実は私も苦手なのですが、
『まんがてき』に限っては、
まったく嫌悪感を抱きませんでした。

メタを主軸に持ってくることで、
まったく違和感を感じさせない、
納得のできる展開となっています。



メタ漫画というと、
裏サンデーの「ゼクレアトル」のような漫画を想像されるかも知れませんが、
それとは違った、
あくまでも主人公たちはメタ状況に気が付いていない、
叙述トリック的な漫画となっています。

叙述トリックのようなものが好きな方には是非オススメしたいです。





メタと言えば、
“アタリ4コマ”“デフォルメ4コマ”
という漫画も、こますずめ先生は描かれています。

題名の通り、
“アタリ”や“デフォルメ”を題材とした、
メタ漫画ですね。


こういった内容の漫画は、
描くのが簡単そうでいて、
メタ的視点に立つということは、なかなか出来ません。

私達が、
当たり前と思い込んでいることを、
第三者の視点に立って見つめなおす
ことが必要です。


そんな漫画を量産できる、
こますずめ先生の視野の広さや、
着眼点の突拍子のなさは参考になりますね。

ネタ被りが無いというのも驚くところです。




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最後に、
こますずめ先生の魅力ですが、
それは“発想力”
ですかね。


美術館の絵を見て「この絵には味がある」
と言いながら集団で絵をむしゃむしゃと食べだすような
シュールな漫画を描いたかと思えば、

トラノオの葉っぱは折れても水につけておけば
切れた方も育つことを知った少女が、
心は?主観は?意識はどうなるの?
と哲学を語りだす漫画を描いたり。


そんな意味不明な作者さんでありながら、
その正体は実に常識を持った方で、意味不明さも計算の内なんだと気が付かされます。



引き出しの多さは、
『短編漫画アーカイブ』(完結作)
を見ての通り。

1話1話感想を描いていきたいくらい、
バラエティにとんだ話を描ける方です。


短編メインに描いている方なので、
途中からでも問題なく入っていけると思います。
サイトデザインもオシャレかつ分かりやすくて、
毎週更新していたりと、やる気のある作者さんですし、
今後にも期待できそうです!!


そんな訳で、こますずめ先生の漫画作品。
1度読んでみてはいかがでしょうか!
オススメです!!!!1


http://komasuzume.yokochou.com/index.html