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web漫画レビュー『漫画を持ち込んだ結果』
2016/01/10
かなり久しぶりに漫画紹介を行います!
……と言っても、
2014/07/28
に
『派遣の谷』
の紹介をし終えてから、
すぐ書き始めていたのですが、
いつの間にか2016年になってしまいました。
私が今回紹介するのは、
『漫画を持ち込んだ結果』
という漫画です。
まず最初に言っておきたいことは、
現在連載中のweb漫画の中でも、
かなりズッシリ胸にくる物語
となっています。
私の紹介がネタバレになってしまうと、
面白さが半減してしまうかも知れないので、
まず読んでみることをオススメします!
読んで後悔することはない漫画だと思うので、
とりあえず内容を知る前に読んでみて下さい!
URLはこちら。
http://khabarovsk.web.fc2.com/womochi/
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『漫画を持ち込んだ結果』
作者は
hatena
さん。
サムネイルが
はてなようせい
さん。
はてなようせい
さんとは、ご存じの通り、
2008年頃に2ch等で可愛いと話題
になった『チャレンジ1年生』キャラクターで、
漫画とは全く関係ありませんが、
作者コメント:籍を入れたので嫁方の名前に改名しました。嫁と同じ名前になるのは照れくさいですね(笑
作者コメント:はてなようせいちゃんはぼくのことがだいすき。でもぼくはもっともーっとだいすきなんだ
……とのことです。
頭おかしい。
『漫画を持ち込んだ結果』
http://khabarovsk.web.fc2.com/womochi/
※2章その24(2016/01/07更新)時点の感想となります。
※以下ネタバレ注意
【ジャンル】
持込ルポ漫画
人間ドラマ漫画。
【内容】
病気に苦しむ少女を軸として、
少女含めた周囲の人間たちの精神的な葛藤を描いた物語。
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さて、
『漫画を持ち込んだ結果』
web漫画ならではの漫画という印象を持ちました。
純粋に内容も面白いですが、
漫画内容外にも読者が驚く仕掛け
が仕込まれています。
例えば、わかりやすいものが、
タイトル詐欺
です。
『漫画を持ち込んだ結果』
というタイトルと適当なTOPページのイラストを見て、
まず読者はギャグ系のルポ漫画だろうと騙されます。
プロローグでは少し意味深な内容が描かれているものの、
しばらくは行き当たりばったりの勢いだけな漫画のように見せられていて、
そこから少しずつ
不穏な雰囲気
がにおい始めてきます。
“漫画を持ち込んだ”ことも、
モノローグ等でたまに触れられることはありますが、
漫画を持ち込んだこと自体は本題ではなく、
それとはまったく関係のない話が進行していきます。
とにかく予想を外される漫画で、
「こういう漫画だったの!?」
という驚きの展開が何重にも重なります。
↑幼女を誘拐しようとする主人公
序盤は突拍子のない展開に思えるかも知れないですが、
物語の核の部分が明かされていく内に、
そのすべてが繋がっていきます。
伏線の張り方が本当にうまいです。
頭痛が起こるほど大量の伏線
がまき散らされていますが、
最初から最後まで設定が練られていて、
破綻している部分や違和感のある部分がありません。
伏線の詰め込まれた漫画は読みにくくなってしまいがちですが、
この漫画の伏線は、謎を感じさせつつも、
初見では伏線を気にせず勢いだけでも読める
ので、
読みにくさを感じることはほとんどないと思います。
そのおかげもあって、
物語が進んでからの伏線回収には驚かされること間違いなしです。
この漫画は基本的に
主人公の1人称視点
で描かれていますが、
時間を遡り主人公が切り替わり、
別視点から同じシーンを描き直す構図
になってたりしているので、
読み返してみると人物の行動の意味が繋がって面白いです。
読み返すとその凄さがわかります。
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この漫画の一番の魅力は
“コマ割り”
にあります。
ある程度の質を保ちつつ
更新速度を重視
されており、
絵そのものが丁寧で綺麗という訳ではないですが、
心理状態を表現した迫力のある構図が特徴です。
とにかく心理描写が丁寧で細かくて斬新で、
人物の葛藤を画面全体に表現するのが非常にうまいです。
ドクンドクンと心臓を締め付けられるような、
黒塗りの多い、緊迫感のある描写もあれば、
対照的に解放感のある諦めのような心理描写がされたり。
葛藤描写のバリエーションが豊富です。
場面場面でうまく緩急がつけられているので、漫画に引き込まれてしまいます。
コマ外で余白をたっぷりと使う特徴的なコマ割り
は、
紙媒体で読むと味気ない印象になってしまうかも知れないですが、
デジタルでの縦読みには相性ばっちりです。
web漫画ならではの特徴的なコマ割り方法ということで、
もしかしたら慣れるのに時間がかかる方もいるかも知れませんが、
慣れたら楽しくなってくるので頑張って下さい(´・ω・`)
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丁寧な心理描写繋がりで、同作者さまの、
『XIII』
もオススメです。
こちらは漫画のコマ割りや構成だけではなく、
使えるものはすべて使って漫画を演出しようというようなスタイルで、
自サイトweb漫画であることの特徴を活かした魅せ方がうまいです。
重たい雰囲気なのは同じですが、
ファンタジーな世界観で、
バトルっぽい描写もあって終盤熱いです。
ページ数はそれほど多くなく、完結しているので、
『漫画を持ち込んだ結果』
を読み終えてから、
気になる方は読んでみてもいいかもです。
なんかもう凄かったです。
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話を
『漫画を持ち込んだ結果』
に戻します。
シリアスな内容だけでは、
読んでいて疲れてしまうと思うのですが、
この漫画は、
重苦しい雰囲気が続きつつも、
ギャグっぽい演出も自然に取り入れられています。
例えばパロネタとして、
『きんいろモザイク』
などが、
平然とモノローグに登場したりしてきます。
漫画を漫画と認識させる現実ちっくなネタを使うことに関しては、
賛否両論わかれると思いますが、
この漫画に限っては、
その現実ちっくなネタが、話の重大な核の部分に触れていて、
むしろ読者を漫画に引き込むプラスの方向に働いています。
現実的なネタが取り入れられているから、
現実的なリアリティを感じさせられ、シリアスな部分が引き立てられます。
私が衝撃を受けたのは、
2章その6
の部分。
「重たいリアルな命の話と第三者の無自覚な悪意」
まさに、そんなことを深く考えさせられる内容でした。
作者名とサムネイルのはてなようせいからは考えられない話の重さです。
まさに不意をつかれたという感じです。
初見時の驚きを大事にして欲しい漫画で、
あまりネタバレしたくないので、
内容に関してあまり具体的なことを触れることは出来ませんでしたが
とにかく、
可愛いくてシリアスな話が読みたいという方にオススメです!
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